第15章 猫王子と修学旅行
次に目が覚めると、もう朝だった。左手に温もりを感じ目線をやった時、違和感が襲った。
『…誰?』
母「ん…!!!!!!!目が覚めたのね!?あなた、あなた!!!」
父「ここは病院だ、静かに……!!!よかった、目が覚めたのか!!!」
『…だから、誰?』
「「…えっ?」」
声の主が誰だか分からなかった。
と、言ってもドラマのように記憶喪失ってわけではないと思う。
母「冗談、でしょう…?私よ、あなたのお母さんよ?」
父「俺だよ、お父さん…だよ?」
『お父さん、お母さん…何で京都にいるの?』
「「…は?」」
『何で?仕事は?ていうか修学旅行は?』
「「…え?」」
『…え?』
よく聞けばお父さんとお母さんの声だ。誰か分からなかったのは、よく見えなかったから。
それからいくつかの検査をした。
医者「どうやら強く頭を打った事によって視力が極端に下がったようですね」
母「そんな…それじゃ娘は何も見えないって言うんですか!?」
医者「違いますよ。視力は回復の見込みはありませんが、眼鏡などで矯正すれば前のように生活できます。ただ、さんはバレー部でしたよね?」
『バレー出来ないんですか!?ちょ、ねぇ!!』
父「落ち着くんだ!先生、バレーは娘にとって大事なモノなんです。どうにかなりませんか」
医者「落ち着いてください。確かに今は出来ません。靭帯は切れてはいませんが損傷しています。3か月は大人しく見学していてください」
って…あたしえらく中途半端な怪我じゃね!?まぁバレーが一生出来ないっていうわけじゃなさそうだからまだマシだけど…
3か月、か…