第15章 猫王子と修学旅行
『んで、今日は何で遅れたわけ?赤司にしては珍しいじゃん。30分前行動とかしてそうなのに』
「あぁ、将棋盤を持っていくかギリギリまで悩んでいた」
『…は?』
「だから将棋盤をm」
『いや、そういう事じゃなくて』
「…どういう事だ」
『いやいやいやいや!!!おかしいだろ!!!何で悩んだんだよ!つーか将棋盤!?お前何歳だよ!?ずっと思ってたけどさ、王子って年サバ読んでるよな!?』
「僕はれっきとした15歳だ」
将棋が好きで何が悪い。それに昔、真太郎だって将棋させてたぞ。
『将棋って面白いわけ?』
「あぁ」
『ふーん。あたしもやりたい!』
「いいだろう、帰ったら教えてやる」
『は?今教えてよ』
「無理だ」
『何で』
「持ってきていない」
『…は?』
「だから、持ってきていない」
『…はぁぁぁぁぁ!?』
今日はよく叫ぶな、コイツ。修学旅行だからテンションがあがっているのか。ガキだな。
『何!?3遅刻してまで悩んで結局持ってきてねぇの!?』
「僕は遅刻はしていない」
『うっせーよ!!!つーか将棋盤って薄いだろ!そんくらい荷物になんねーだろ!」
「遊びに来ているわけではないからな」
『真面目!!!!』
…真面目とは良い意味ではないのか?なぜそこまで驚かれるのか意味が分からない。
『将棋かー、ボードゲームとかオセロしかやった事無い』
「オセロか。オセロも奥が深い」
『おっさんか。つーかあたし、オセロ持ってきてるけどやる?どうせご飯までまだ時間あるし』
「…いいだろう!」
『急にあからさまに表情輝かせんなガキ』
酷く腹立たしい言葉を言ったが、オセロは将棋の次に好きだったりする。それに、ボードゲームは相手の心情がそのまま乗り移る。がどういう手を使うか、楽しみだ。