第15章 猫王子と修学旅行
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部屋からオセロ盤を持ってくると、赤司は凄く嬉しそうに椅子に座った。
パチン
「角、もらうよ」
『ぐっ…』
つーか強いんだけど!!!あたし、中学の頃オセロはまって春といっぱい対局して、負けなしなくらい強いと思ってたんだけど!
「この角ももらうよ。ほら、どうしたポチ。4つの角はこれで全て僕のものになったぞ」
『うるせー!!!角取った方が勝者なんてルールはねぇんだよ!黙って待ってろ!』
「クスクスっ…あぁ、そうだね」
くっそー!余裕そうな顔しやがってムカつく!!!!つーかまじで何だよコイツ!頭の回転早すぎんだろ!ていうかすっげー優雅にやるのがムカつく!!!こいつそのうち趣味は乗馬です!キリっ!とか言うんじゃねーか!?
「あぁ、乗馬は好きだよ。趣味と言って良いほどに」
『やっぱり!!!って…何人の心読んでんだコラ!!!』
「読んだわけじゃ無い、が分かりやすいだけだよ。ほら、これで最後だ」
『は!?ふざけんな!まだ終わってねぇだr…あり?』
「だから、これで最後だと言っただろう」
ちょっと待って、おかしいよ?だってマスはまだ空いているのに、白(あたし)が置けない。ルール上、置けない。
『参リマシタ』
「楽しかったよ」
『うそつけ!!!こんな圧倒的に負けたの初めてなんだけど!!!あれか、ぼろくそにして楽しかったっていうドS発言かこの変態!』
「それはいただけないな。確かに結果は大差をつけて当たり前のように僕の勝ちだけど」
『よーし歯ぁ喰いしばれぇぇぇ!!!』
「…勝ちだけど、楽しかったよ。の攻め方はそのものだったからね」
『…は?』
「素直で真っ直ぐで、優しい攻め方。らしい戦術だ」
『…それ、もしかして褒めてる?』
「そのつもりだったが?」
『…あっそ』
どうやら褒められたみたい。ボロカスに負かされて全然楽しくなかったと思っていたが、今はもう1局してもいいかなって思うくらい、楽しかったんだと思う。
だって赤司が、あんなに楽しそうに笑うから。