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猫王子と犬平民

第15章 猫王子と修学旅行


『ねー赤司ー。機嫌直してよー』

「…別に怒ってなどいない」

『怒ってんじゃん。笑ったのは謝るけどさー、あれは誰でも笑うって』


しまった、赤司の機嫌を損ねてしまった。いつもだったら放っておくのに、今日は修学旅行。しかも只今班行動中。つまり赤司が機嫌悪いと、どうしても班全体の雰囲気が悪くなってしまう。


『はぁ…あれ、どうしよう』

田中「が謝って無理なら、俺らは絶対無理やしなぁ」

真田「つーか返事も帰って来ぉへんな、絶対。てか何で月島はこっちにおるん?こういう時に慰めたらええやん、好きなら」

麗華「今の赤司君、苦手やねん。部活の時のお怒りモードと同じ匂いや」

奈央「ほんま自己中やなぁ。せやけど、麗華の言う事分かるわ。あぁなったら赤司君、ちょっとやそっとの事では許してくれへんで」

『まじでか…今のままだと空気が重い!あたしには耐えられない!!!!』

奈央「せやな…仕方ない、耳貸せ」


奈央の近くに耳を持っていくと、コソコソと作戦を伝えられた。麗華ちゃん達も耳を傾ける。


『は?そんなんで本当に赤司の機嫌が良くなるわけ?』

奈央「絶対なる!せやけど、の技量が試されるで?失敗するも成功するも、次第や」

麗華「そんなんダメや!私がやる!」

奈央「アホ!麗華や意味あらへん!行って来い、!アンタにしか出来へん事や!」

『ええ~…あたしそういうの、一番苦手何だけど』

田中「大丈夫や!は案外器用やから出来る!」

『案外って何だよ!』

真田「頼む!俺らを助けると思って!」

『…はぁ、分かったよ。やればいいんでしょ、やれば』

「「「グッドラック!」」」

『発音がなってない!Good luckだ!!!』

「「「黙れ英語バカ」」」


最悪な送り出しで、最悪な気分のまま前を歩く赤司の元へ向かう。出来るかどうかじゃなくて、あたしそういうキャラじゃねーし。


『赤司』


けど…まぁこれで赤司の機嫌が良くなるなら、いっか。
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