第15章 猫王子と修学旅行
肩にあるの口から、規則正しい寝息とは違う息遣いが聞こえた。そして少し身じろぐ。
「…?起きたのか?」
『あ、うん…え?あれ?』
「覚えてないのか。まぁ無理もない」
どうやら薬の副作用で眠気が襲ってきて、意識がはっきりしていないらしい。さっきの事も覚えていないようだ。
『す、すまない…』
「気にしなくていいよ。僕としては嬉しかったからね。まさかがあんなに大胆な事してくるなんて」
『はっ!?え!?あたし何かした!?』
「覚えてないみたいだな。クスクスっ…は弱ると凄く可愛いんだよ」
『っ!?はぁ!?んなわけねぇっつーの!取り消せ!今すぐ取り消せ!!!!』
「だって事実だ」
『あああああああああああ!!!!!腹立つ!赤司、一発殴らせろ!!!』
「断る。それより…どうやら酔いは抜けたようだね」
『…あ、本当だ』
少しでも寝たのが良かったのか、は元気になったようだ。いつものだった。
『…ありがと』
「…は?」
『…その、看病してくれたみたいだから。あと、肩も…』
「…っ…気にするな」
ああもう嫌だ、この子。何回僕の気持ちを高鳴らせれば気が済むのか。とにかく、いつもの元気で見てて飽きないもいいが、こういう可愛いは…僕に対する攻撃力は絶大だ。