第15章 猫王子と修学旅行
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奈央「おはよーさん!って…なんやねんその荷物の多さは」
『おっす!なんやねんって考えたら分かるでしょー?とりあえずお菓子でしょー、お菓子でしょー、お菓子!!』
奈央「お菓子ばっかりやないか!言っとくけどウチ、荷物とか持つの手伝わへんからな」
『荷物は郵送するから大丈夫でござるよ!』
田中「うーっす!結構寒いねんなぁ」
真田「俺マフラー持ってきて正解やったわ」
『ばっか真田!これから行くところは沖縄だぞ!?常夏の沖縄だぞ!?マフラーなんて荷物にしかならねぇよ!』
「「「確実にお菓子の方が荷物になるやろ」」」
と、いう事で今日から2泊3日の修学旅行が始まる。夏じゃないから海で泳げないのは残念だけど、他にも楽しむところはたくさんあるのが沖縄だ!
麗華「あれ?赤司君まだ来てへんの?」
奈央「麗華…せめて挨拶くらいはしたらどうなん?常識やんで?」
麗華「私は一番に赤司君に挨拶したいねん。ほんなら私、正門まで迎えに行ってくるわ!」
田中「…俺、月島と仲良くなるまでに精神イカれそうやわ」
真田「俺なんて田中を人間バックにしそうやわ」
奈央「それ、ウチも同感や。田中、頼むで」
田中「嫌やけど!?」
んー、困った。確かにあれだけの潔さに麗華ちゃんに対して嫌がらせをする人はいなくなった。が、あくまでも皆、傍観者だからこその選択だった。実際にアレと関わるのはきついかもしれない。
『ごめん、皆。あたしが何も考えずに言っちゃったから…』
田中「は?何でが謝るん?」
『そりゃあたしが決めたし…』
真田「それを含めて俺らは誘ったんや、が気にする事やない」
奈央「それに、いつまで逃げてても何も解決せぇへんしな。腐ってもウチは麗華の幼馴染や。この機会に叩き直しちゃる」
『皆…ありがとう』
奈央「礼を言う事でもあらへん!はらしく進んだらええ!!ウチらはのそういうトコが好きなんや」
『奈央…』
奈央「…あ、やっぱ今の取り消しや。を調子に乗らせたらめんどうやからな」
『…奈央…』
奈央はこうやって元気づけてくれようとしている。それはもちろん田中も、真田も。ありがとう、皆。