第15章 猫王子と修学旅行
って…僕が誘うのか?
田中「俺らも一緒に行くで!せやから赤司、赤司の口から誘ってくれへんか?」
「…いいだろう。それじゃあ行こうか」
を探すと、自分の席でイヤホンを使って音楽を聞きながら寝ている。その隣の机では川崎が何やら必死にペンを走らせている。おそらく部活の何かだろう。
「」
奈央「お、赤司君やん。ダメやでー。この子、音楽爆音で聞いてるから全く聞こえてへんで。しかも多分、熟睡中や」
確かにの耳に入ったイヤホンからは音漏れが激しく流れていた。どれだけ大音量で聞いているんだ。耳がおかしくなるぞ。いや、それ以前に僕を無視するとは、いい度胸だ。
僕はの両耳からイヤホンを引っこ抜き、耳元で名前を呼んだ。
『っ!!何今の!何今の!?全身を鳥肌が駆け抜けたんだけど!!』
奈央「よー起きたなぁ」
『だって鳥肌が!!って…あれ?イヤホン無い』
「ここだ」
『あれ?王子じゃん。何でここにいるわけ?つーかもしやお前が犯人か!人のイヤホン勝手に捕って睡眠妨害、あげく鳥肌総立ちさせた犯人はお前か!!!』
「ポチは耳が弱いみたいだね。良い事を知ったよ」
『殺す!今すぐ殺してやる!!!!』
田中「ま、まぁまぁ落ち着きぃや2人とも!な?赤司も、今はそんな用事で来たわけちゃうやろ?」
そうだった、と考え直し、いまだに牙を向いているに尋ねる事にした。
「、修学旅行の班、男子は決まったか?」
『修学旅行?決まってないよ。ねぇ奈央』
奈央「せやなー。そろそろ決めなアカンけど…」
「それなら僕達と組まないか」
『いいぜっ!麗華ちゃんも赤司がいるから問題ないっしょ。奈央はどう?』
奈央「ウチも問題あらへんよ!むしろこうなるとは予想しとったし」
「それじゃあ、交渉成立だ」
『堅苦しい!つーか刑事ドラマの見すぎ!!!』
田中・真田「「あははっ!それ俺も思ったわ!」」
少しイラッともしたが、これで無事、と同じ班になる事が出来たのだ。まぁ良しとしよう。