第14章 猫王子と秋模様
「」
『今度は何だよ!もうボケは拾わねーぞ!』
「何で僕が今日、赤い方を選んだか分かるか」
『あぁ、あの練習着の時?知らない、赤司の髪が赤だからーとか?ぷぷっ!』
「あぁ」
『は?』
「その通りだと言ったんだ」
あぁもう嫌だよ今日の赤司!!!まじで意味わかんねぇ!
『あの…何が言いたいんですかね、赤司様?もう少し分かりやすく言ってほしいんだけど…』
「…はぁ。だから、僕の色だからに選んでほしかった」
『…ん?つまり、赤司の色だからあたしに着てほしかった、って事?』
赤司は少し俯くと、パスタを口に入れてもぐもぐさせながら静かにコクンと頷いた。ていうより…
なんかドキドキするんですけどぉぉぉぉ!?
何これ!何この赤司!!可愛すぎんでしょうがぁぁぁ!!!やばい、不覚にもときめいた!!!!可愛すぎ!もう一回言うけど、可愛すぎ!!!!
「…笑うな」
『へっ!?笑ってない笑ってない!』
「笑っているぞ。無自覚だったら余計腹立つ」
『すんません、だからそのハサミを閉まってください』
それからいつものようにギャーギャー騒ぎ、あたし達は寮に帰った。買い物も出来たし、赤司の可愛い一面も見れたし満足!
だけど、あたしの中で大きな変化が一つ起こった。
あたしの中の赤司が、"ただの王子"という概念からわずかだが、外れたような気がした。