第13章 猫王子と幼馴染
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ファミレスから帰ると、すぐにお風呂に入った。お風呂から上がり髪も乾かさずにベッドに横たわる。スマホがチカチカとランプを灯して主張しているが、今は見る気にもなれない。
春と一緒にやろうと思って借りてきたバレーボールを取り出し、仰向けになりながらポーンポーンとトスを上げる。天井に届かないギリギリの高さで上げる事だけに集中する。
一体どれくらいそうしていたのだろう。意識を取り戻したのは、部屋のインターフォンが鳴る音だった。ドアを開けるのもめんどくさくて無視を続けるが、一向に鳴りやまない。
『…いませんよー。居留守ですよー』
「、僕だ。開けてくれ」
春「俺だ、春だよ。頼む、少し話さないか」
開けるつもりはなかったけど、2人が一緒に来たことにより体が勝手に動いていた。
『…どうぞ』
コーラを冷蔵庫から取り出し、3つのコップに注ぐ。お盆に乗せて持っていくと、ありがとうという言葉をもらった。
『…で、何の用?』
「僕からの話は後で構わないよ。それより、新城が話があるそうだ」
春「はっ!?ちょ、待っ!」
「それでいいのかい?」
春「ぐっ…チッ、分かったよ。…、今から大事な話があるんだ」
『…うん』
いつにもなく真剣な春の表情に、あたしは静かに頷いた。
春「お前は…口悪くて男っぽくて、バカでアホでバレーバカで、何も考えてなくて呑気で好き勝手やって口悪い女だよ」
『…は?え、何?大事な話って悪口?つーか今更?殴っていい?ねぇ赤司、コイツ今なら全力で殴っていいよね?』
春「大事な話っつったろ、バカ」
『はぁ!?意味分かんない!まじで殴っていいよな!?」
「僕としては大賛成だけど、今は少し待ってやれ」
赤司も呆れた顔を見せながら真剣だったため、再びあたしは何も言えなかった。