第13章 猫王子と幼馴染
春「そんなだけど、強くて優しくて、仲間想いで、困ってる人を放っておけなくて、以外に可愛く照れたり…俺にはお前の良いトコなんていくらでも見つけられる」
『…春?』
春「気が付けば…俺はお前に惚れていた。小学5年の頃には自分のこの恋心に気付いてた。あれからもう5年も経っちまったけどよ…今、伝える事に決めた。
、俺はの事が好きだ。他の誰にも渡したくないほど、大好きだ」
…え?何?ちょ、ちょっと待って…春が、あたしを…?
『ちょっと待ってよ…昔言ったじゃん!あたしの事なんか好きじゃないって…』
春「あれは俺なりの照れ隠しだ」
『何で…何で今更…』
春「赤司に言われて気付いたよ。俺はただ逃げてるだけの臆病者だって。俺、昔に言ったよな。大好きなモノに嘘はつきたくねーって。だから俺はバレーに正直であり続けた。今度は、に正直になる時だ」
まただ。また、あたしの周りから大事な友達が…すり抜けていく。
『春は…春は分かってると思ってた。あたしがこうなる事を望んでいないって。春とはずっとバカやって、今まで通り幼馴染のままだと思ってた』
春「…その前に、返事。聞かせてくれないか?お前の口から、ちゃんと聞きたいんだ」
『…ごめん、春。あたしは春の事、そういう風に見た事ない』
春「…だろーな。だが俺も諦めるわけにはいかねぇ」
『…は?』
春「赤司の言葉をマネしたようで嫌なんだけどよ、俺、お前に好きになってもらうように頑張るから。だからさ、今まで通り、傍にいさせてくんねぇか」
何となく、本当に何となく赤司に視線が移動してしまった。その赤司は困ったものだと言わんばかりに肩をすくめてみせた。だけど、その赤司の表情はどこか嬉しそうだった。
『春、赤司にも言ったけど、あたしが春を好きになる保障なんてないんだよ。春には幸せになってほしい。だから…』
春「俺の幸せがの隣にいること、っつったら?」
『春…』
春「そんなに重く受け止めなくてもいいから。俺もチャンスが欲しいんだ」
『春…うん、分かった。ま、春の事はあたしが一番知ってるしね。これで諦める春じゃないよね』
あたしと春は、昔やっていたようにおでこをぶつけ合い、笑った。