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猫王子と犬平民

第13章 猫王子と幼馴染


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「…」

春「おーい、ー?あ、いたいた。どこ行ってたんだよ。探したじゃねーか」

『おいコラ。そこじゃねぇよ。お前の目の前にあるのは犬の肖像画だよ。わざとか?わざとなわけねぇよな?』

春「!!!」

『何驚いてるんだよ!つーかこのネタ引っ張るんじゃねーよ!もう3回目だぞコラ!』

春「はははっ!」

『はぁ…で、何?』

春「特に用はねーよ。ただの姿が見えなくなったから探したんだよ」

『ふーん。っていだだだだだだ!やっぱりこーなるのか!少し予想してたけど!』


赤司は予想通りあたしを腕の中に収めた。赤司の中で流行ってんのかな、コレ。つーか痛い。


春「…、嫌なら嫌って言えよ。そうしないとコイツ、調子乗ってずっとそれ続けるぜ?」

『嫌っつーかとりあえず痛い。つか王子には言っても無駄だよ。なんせ王子だからね』

春「ずっと気になってたんだけどさ、王子って何?まさかコイツが無理矢理言わせてるわけじゃないだろうな?」


超喧嘩腰の春に王子の由来を説明する。すると不機嫌だった春の表情が明るくなっていく。


春「ぷはっ!何だよそれ!お似合いじゃねぇか、王子さんよ!とりあえずさ、お前さ…いい加減、離してくんない?」


ぞくっ

今まで聞いた事の無い春の声。赤司の腕の中にいるせいか顔までは見えないけど、声だけで全身に悪寒が走った。


『え、ちょ…春?』

「どうして君にそんな事を言われなければならないんだ」

『へっ?赤司…?』

春「…あ?」

「お前の許可は必要ない。退け」

春「何言って…」

「退けと言ってるんだ。聞こえなかったのか」

『あ、あか…し?』

「1つ教えてやろう。この世界は勝者が全てだ。僕はあらゆる事で今まで一度も負けた事がない。故に絶対は僕だ。僕が退けと言ったら退くんだ。逆らう奴は何人たりとも許さない。僕に逆らう奴は親でも…殺す」


ぞくぞくっ

春の時に感じた悪寒より何倍もの寒気が全身を走った。今の、赤司なの?
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