第11章 猫王子と文化祭
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ボーっと歩いていると赤司の背中をいつの間にか見失っていた。どうしよう、こんなとこで迷子なんて笑えない。とりあえず目印になりそうな所探さなきゃ。あ、あの木にしよう。
男性「ねぇねぇ彼女!どうしたの?こんな所で♪」
男性「1人で来たの?」
『…いえ、はぐれただけです』
男性「じゃあ俺らが一緒に探してあげよっか?この辺詳しいし」
『結構です。こういう時は動かない方が賢い選択ですので』
男性「いいじゃん!ついでに俺らと遊ぼうよ!ねっ?」
肩を触れられたから思いっきり睨んでやった。
男性「おっ!!コレ当たりじゃねぇか!君めちゃくちゃ可愛いじゃん!!ね、ね!友達なんか放っといてさ、俺らと遊ぼうよ!!」
男性「どうせこの人混みじゃぁ見つからねぇよ!な、俺ら全部奢るからさぁ!行こうぜ!!」
『はぁ!?行かないっつってんじゃん。頭大丈夫?』
男性「強気な態度もそそるねぇ!こんな可愛い子、俺らが放っておくと思う?」
『思わないね。だってあんた等見るからにバカそうだから、言っても聞かなそうだもんね』
男性「…あのさぁ、強気な子は好きだけど生意気なのとは違うんだよ、お嬢ちゃん?」
『…あたし、腕には自信あるよ?』
…うそウソ嘘!!!自信ないよ!そりゃちょっと拳で黒板にヒビ入れた事はあるけどさ!運動神経には自信あるけどさ!!年上の、しかも男性相手となると無理無理無理ぃぃぃぃ!!ていうか喧嘩慣れとかしてねーし!
男性「ぶはっ!目ぇ泳ぎすぎ!可愛いねぇ!!!ちょ、俺本気でタイプかも」
男性「お前こういう女好きだよなぁ!という事だから、一緒に行こうぜ!」
『は!?ちょ、人待ってるって言っただろ!?離せよ!!』
やばいやばいやばい!腕を引っ張る力、マジやばい!このままじゃ連れて行かれる!!!
助けて、赤司!!!!!
「ハァッハァッ…何をやっている。そいつは僕の連れだ。その手を離してもらおうか」
『あ…かし…?』
「…遅れてすまない、」