• テキストサイズ

猫王子と犬平民

第11章 猫王子と文化祭


「」

『…何だいこの手は』

「見て分からないのか」

『分からないな。行動は分かるけど、意味がわからない。何だよこれ!!!!』


先程もらった焼きそばを少し箸ですくい、の口元へ運ぶ。所謂"あーん"というものだ。さすがにこれは照れるだろう。


『…やだよ』

「どうして」

『嫌なもんは嫌』

「いいじゃないか。僕ととの仲だろう?」

『やだ!だって…だってこれって…』


来る。僕が望んでいた言葉が。


『これって…ただの犬みてぇだろうがぁぁぁぁぁ!!!!』


ズルっ!…そっちか。そうだった、に乙女モードなんて無かった。


『大体犬でも与えられたら自分で食べれるだろうが!何だ!?あたしは犬以下だって言いたいのかコノヤローバカヤロー!!!』

「分かった。すまなかったから少し黙ってくれ」

『ぐっ…ねぇ王子』

「…何だ」

『あたしと回る文化祭、楽しくなかった?』

「…は?」

『だってあたしはずっと食べてばっかりだし、その度に王子溜息つくし、今だって理由は分からないけど赤司の事怒らせたし…』


違う。そうじゃない。そうじゃないんだ、。


『って、怒らせてるのはいつもか』

「違う」

『は?』

「その…アレだ。…楽しかったよ、今日は」

『…もっかい言って』

「…断る」

『もっかい言って!やばい赤司の王子モード以外のデレとか初めてなんだけど!!!ちょ、録音するからもっかい言って!!!』


ギャーギャー騒がしくなってしまっただが、その表情は今まで見た中で1番嬉しそうだから、素直に伝える事も大事だと思った瞬間だった。
/ 348ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp