第11章 猫王子と文化祭
赤司side
文化祭2日目。シフトは変動することも無く、最初に僕達のローテーションとなる。昨日だけで仕事には慣れ、特に問題もなく難なくこなしていく。まぁ僕が失敗などするはずもないが。
『終わったー!!!奈央、何か食べに行こうよ!』
奈央「すまん!!ウチ昨日の部活の催し物の決算せなアカンねん!」
『えー!!!いつまで…?』
奈央「ずっとや。後夜祭には出れるで!せやからそんな眼で見らんといてぇな。さすがのウチでも情が湧くわ!!という事で赤司君!の面倒、頼むな!」
「…は?」
奈央「ほな!」
川崎は慌てて部室へと走っていった。決算をするようマネージャーに言ったのは確かに僕だが…
『奈央ってばいじわる…まぁいいや。行こう、赤司』
「…あぁ」
こんな事があっていいのだろうか。
『王子ー、焼きそば食べたい!』
「…構わないがすでに焼きモロコシたこ焼きホットケーキおにぎりみたらし団子クレープお好み焼きを食べただろう。よく入るな」
『よくそんなに覚えてるな!よく噛まなかったな!そっちの方が断然すげぇよ!!つーか赤司が小食すぎるんだよ。見るからに細いし、ちゃんと食べてる?はっ!まさか湯豆腐ばかり食べてるとか…』
「僕はきちんと3食バランス良く食べている。寧ろの方がそんなに食べててよく太らないな」
『まぁその分運動してるからねー。あ、ここの焼きそばめっちゃ美味い!王子も食べてみて!』
は自分の箸のまま僕に渡してきた。間接キス。そういうのは女性なら気にするというのに。
だがここで僕だけが意識して拒んでしまえば、僕が負けたようになってしまう。
「…いただくよ」
『ほいほーい』
といると僕が僕でなくなってしまう気がしてならない。それに、僕だけがペースを乱されているのが気に入らない。