第11章 猫王子と文化祭
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あ、足が痺れた…ていうかもう感覚が無い。今立ったら確実に捻挫だな、これは。
『ってことで赤司おんぶして~』
「…どういう事だ」
『んだよ。こういう時こそ心覗けよバカ司ぃ。あ、でもせっかくだし、青峰に頼もうっと!という事であたしをおぶれ、青峰』
「何でだよ!!つーかそのまま赤司に頼めよ。俺が殺されるっつーの」
『だって青峰の方が背高いじゃん!一回見下ろしてみたかったんだよね~、赤司を』
「何か言ったか?(シャキン)」
『ヒッ!!』
「…さんて本物のバカだったんですね。学習能力ゼロですか」
何故か赤司の制服のポケットから鋏が出て来て、顔の横をすり抜けた。…鋏!?何てもの持ち歩いてんだ赤司コノヤロー!!!
『余計なお世話だよ真っ黒子。てかまじでお願い。足痺れてやばいんだって』
「…おりゃっ!!」
『~~~~~~!!!!!!あ…青峰コノヤロぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』
青峰のバカがあたしの痺れてる足をはたきやがった。ご存じのとおり、超痛い。悶絶レベル。青峰殺す。
涙目になりながら座ったまま反撃しようと頑張っていたとき、隣から盛大な溜息が聞こえてきた。言わずもがな赤司ですよね。
「少しは静かにしろ。ほら、早く掴まれ」
『王子…やっぱあたしの味方は王子だけだよ…青峰なんかもっと黒くなってト●ロに出てくる可愛らしいお化けにでもなりやがれ!!!そしてメイちゃんに潰された1匹になりやがれ!!!』
「細けーよ!!つーかどんだけ運悪ぃんだよ俺は!!!」
「耳元で騒ぐな。静かにしなければ落とすからな」
『それだけはやめて王子』
赤司がおんぶしてくれた。その上で青峰と喧嘩してたら怒られた。足の感覚さえ戻ったら覚えとけよ青峰…
「けど、何だかんだ良かったッスね!赤司っち!」
『?何かいい事あったの王子』
「…何もないよ。とりあえず涼太。この後外周10、決定だ」
「何で!?」
少しだけ、赤司の体温が高かった気がするのは、あたしの気のせいだろうか。