第2章 猫王子と出会う
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ムカつく…
『ムカつくムカつくムカつくぅぅぅぅぅ!何あの男!次あたしに刃向ったらギッタンギッタンのメッタンメッタンにしてやるぅぅぅぅ!』
奈央「やめときぃや、。もう赤司君来るで?」
『おう!どんとかかって来いってんだ!』
奈央「バカや…ホンマモンのバカがここにおりよった…」
「それには激しく同意だな」
『出たな王子ぃぃぃぃ!そしてその言葉、しかと受け止めた!決闘だ!』
先生「うるさいでぇ。まーたかい。少しは静かに出来ひんのか」
『先生!これはあたしだけの問題ではありません!王子だって!』
「起立。気を付け、礼」
『お願いします!…ってハッ!やられた!流されてしまったぁぁぁ!』
赤司はあたしの事なんて無視するように、関係ありませんというように清々しく号令をかけた。
先生「何言ってるんや…そや、今日は授業の前に席替えするで」
『まじでか!先生大好き!愛してる!やっとこの赤髪を視界から外せる!本当なら、席替えとか早すぎ皆仲良くなってからで良くない?間違ってるよねって永遠と説教してやろうと思ったけど、王子が映らなくなるならそれ最高!』
先生「…頼むから黙っててくれへんか。というかさっきから王子って何や?」
『王子っスよ!プリンスッスよ!もちろん赤司の事です!』
先生「何や…まだ2日目やのにもうカップル成立しよったんか」
『…はぁ!?』
先生「違うんか?せやかて王子様やろ?の王子様なら…」
「違いますよ、先生」
号令以外口を開かなかった王子が、やっと口を挟んだ。
「彼女が勝手に騒いでいるだけです。先生が思うような展開はあり得ません。ですが僕は彼女にとって王子様らしいので、彼女は僕にとって下々の民、つまり平民となります。そこだけ認識していただければ構いません」
『最後の文章、いらない!それより猫被るなよ王子!って…猫?あははっ!王子は猫っぽい!顔も性格も!というわけで赤司は今日から猫王子ね!』
猫王子。我ながらナイスな役職をつけたものだ!…と後から奈央に言ったら、バカ…とだけ言われた。なぜ。