第10章 猫王子と解決
「ジョンは昔から仕事熱心だった。実績もあり口も堅い。だが昔、僕にとても良くしてくれた。僕もジョンを気に入っていた。そのおかげか、雇い主の事だけは教えてくれたよ」
『ちょっと待て!!実績もある人が何でカメラに気付かないわけ!?そういうの敏感じゃん!ハッ…まさかこれが一般人のテレビによる浅はかな知識…ジェネレーションギャップ!!!』
「それは意味が違うだろう。僕らは同い年だぞ。…簡単な話だ。ジョンより優秀な人物にカメラの設置を頼んだ、それだけだ」
『それを簡単とは言わねーよ!!!もうヤダ、あたしもう赤司の事嫌いになりそう殺してしまいそう』
「…話を戻そう。真田健吾」
真田「ビクッ!…俺じゃないんだ…」
「…悪いが調べさせてもらったよ。確かに君の家ではジョンと会えるほどお金は用意出来ない」
真田「!!!!せや!俺ん家は貧乏なんや!ジョンと友達になる事は俺には無理や!」
「当たり前だ。ジョンは最高の用心棒だ。親しくなるためにはそれなりの準備が必要だ」
『おーい、何かずれてる。ついでに頭のネジも揺れてるぞバカ2人』
…話がそれてしまったな。僕としたことが。
「悪いが全校生徒の情報を調べさせてもらったよ。文句がある奴は犯人に言え。そして、見つけた。しかもこのクラスに」
田中「ちょ、待てや赤司!このクラスには健吾1人しか真田はおらへんやろ!?」
「あぁ。川崎」
奈央「なんや?」
「このクラスで1人、あり得るとすれば誰だと思う」
奈央「そんなん、ウチに分かるわけ…まさか…」
「…そのまさかだ」
女子生徒「ちょ、待ってぇな!2人だけで納得せんといて!私らにも分かるように説明してぇな!!!」
『…』
チラリとを見れば、何か考える様子だった。多分今までバカな発言をしていたのは、このクラスに犯人がいる事に半信半疑だったからだろう。しかし川崎のあの反応を見て、僕が冗談で言っているのではないと分かったはずだ。
「…その人物は会社の力を使って名前を変えてこの洛山高校に入学してきた。…いや、子供の頃から名前を偽って過ごしてきた。…そうだろう?」
ある人物をゆっくり捉える。そこには顔色1つ変えないで堂々と椅子に座っているアイツがいた。
「月島麗華。…いや、真田麗華」