第10章 猫王子と解決
誰もいない教室だけの映像を見ていく。ある時間に映った人物に、皆声が出なくなった。
奈央「って…なんでやねん!何でが映ってんねん!!!」
『い、いや~。宿題忘れちゃったからつい…』
奈央「宿題!?アホ!!何でこんな大事な時間に忘れてんねん!!!犯人か思てドキドキしたウチらの心臓返せ!」
『返せと言われても獲ってない!ていうか獲れない!』
奈央「あげあしを取るなアホ!」
『いだっ!!!』
が画面に映り、いつものように川崎と漫才を始めた事によりクラスの雰囲気がいつものモノに戻る。
「もうすぐ本当の犯人が映るよ」
それからおよそ3分後、そいつは現れた。
奈央「…誰や、コレ」
『ちょっと待て!!!何コレ!推理口調の赤司、作風の変わり様、そして極め付けは何この犯人のシルエット!真っ黒じゃん!!某アニメみたいじゃん!今にも小さな探偵君が飛び出してきそうじゃん!!!』
が言ったように、画面に映ったのは全身黒タイツのようなモノに身を隠している犯人の姿。これでは顔はもちろん、性別まで把握できない。
「僕の家は少し有名でね。名を借りて調べさせてもらったよ。この男の名前はジョン・スターリー。アメリカ人でスパイとして働いている男だ」
男子生徒「アメリカ人!?スパイ!?何でそんな奴が洛山なんかにおるんや!?」
『というか何で世界規模!?話がぶっ飛びすぎて訳が分からない!!!』
「僕も驚いたよ。まさか昔僕の家で少しの間働いていたジョンにもう一度会えるなんて」
『もうついてけねーんだけど。というかジョンの話はもういいよ!!つーか赤司は驚くとこそこかよ!!』
「彼には用心棒をしてもらっていた。そのジョンは今、とある企業に雇われ来日しているらしい。その企業とは、"真田コーポレーション"」
奈央「真田!?このクラスに真田は1人しかおれへん…まさか真田、アンタがを…」
真田「お、俺やない!!ジョンなんか知らへん!!!大体ジョンを雇えるお金、俺ん家にはあらへん!な、田中!お前なら分かってくれるやろ!?」
田中「…」
『ジョンジョンうるさい!友達か?友達なのか?』
「うるさいのはお前だ、ポチ。そして真田も黙れ」
僕が威嚇すると、真田は顔を青白くさせて席に座った。