第10章 猫王子と解決
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…ちょっと待って、今何って言った?
『…ちょ、ちょっと待ってよ赤司…冗談に聞こえないよ…』
「当たり前だ、冗談などではないからな」
奈央「…麗華、アンタウチにも黙ってたんやね。まで傷付けて…友達やと思ってたのに」
『…奈央?何言って…』
麗華ちゃんを見ると、バッと手で顔を覆い、肩を震わせた。
麗華「そんなっ!奈央ちゃん酷い…ずっと一緒にいたのに私を信じてくれへんの!?赤司君も…仲間を疑うんや!?」
『ちょ、麗華ちゃんも落ち着いて!!奈央も赤司も、少しは麗華ちゃんの話も聞いてあげてよ!』
奈央「アンタ、自分があんな事されて麗華を庇うん!?何されたか思い出してみぃや!」
『だからそれは本当の犯人を見つけてからで…』
麗華「…フフフフフッ」
『…麗華ちゃん…?』
泣いていたと思った麗華ちゃんから、笑い声が聞こえたような気がした。
麗華「…ホント、バカな女やね」
『…え?』
麗華「あーあ、絶対にバレへん思てたんやけどなぁー。まさかジョンと赤司君が繋がってたなんて、とんだ誤算やったわ」
『麗華、ちゃん?』
麗華「私の名前、呼ばんでくれへんか?」
麗華ちゃんの声は、いつものような可愛らしいものではなく、ドスの聞いた低い声だった。
麗華「アンタの事やから、何で…とか思てんのやろ。ハッキリ言うたるわ。アンタの事、嫌いやねん」
男子生徒「嫌いだけであそこまでやるか!?大体がお前に何したって言うんや!」
麗華「そういうとこがムカつくんや!!!口を開けば、って…何なん?味方でも増やして人気者気取りか?」
女子生徒「そんな事であんな事やってん!?それには人気者や!」
女子生徒「せや!は面白くて優しくて、いつも真っ直ぐやったんや!人が集まるのも分かるやろ!?」
麗華ちゃんは拳を机にぶつけ、椅子から立ち上がった。