第10章 猫王子と解決
あたしの意見も虚しく我が1組は喫茶店に決まった。だけどこのあたしが"ただの喫茶店"に満足するはずも無く、どうせやるなら、と"コスプレ喫茶"に変えた。
ある日の月曜日。朝練が無くなったからいつもより早い時間で教室に入る。おはよう、といつもの挨拶をしようとした時、足と口が動かなくなった。
奈央「何やねん毎回毎回…ええ加減にせえや…」
男子生徒「が見てへんのくらいもうわかっとるやろ…」
奈央を始めとするクラスメイトが、黒板に書かれたあたしへの中傷を必死に消している姿が目に映った。
シューズの件から嫌がらせは消えたものだと思ってた。だけどそれは違った。
その瞬間、自分自身が嫌になった。皆が必死に戦ってくれている間、あたしは安心していた。皆はあたしを守ってくれていた。
奈央「…」
『皆…ごめん。あたしのせいで、本当にごめん』
女子生徒「ち、ちゃうねん!!!これはその…」
奈央「もうええ。ここで隠しても意味があらへん。、ほんまごめん」
『ちょ、何で奈央が謝るの!?謝るのはあたしじゃん!』
奈央「…は優しい。きっと今、自分のせいでって思とるんやろ」
『…』
奈央「ウチらは最初、これ以上に辛い顔させたくなない思た。は笑ってなきゃじゃない。これはウチらの妄想やし、この妄想が重みになるんやったら…」
『…大丈夫、続けて』
奈央「ありがとう。体操服の時も最後には笑ってた。せやけどシューズの時はは笑わへんかった。当たり前や、アンタの大事なモンやもんな。その時ウチは何も出来へんかった。本当に友達なら何が何でも傍におるべきやった。ごめん。せやから今回は何かしたいと思った。もちろん、ここにいる皆も」
奈央の言葉に、集まっていた皆が頷く。
奈央「その結果、をまたそんな顔にしてしまった。せやけど分かってほしい。ウチらはのためにやったんと違う。皆が皆、大事な友人を守りたいがためにやった事なんや」
『奈央…』
奈央「バカで煩くて意味不明でアホでめんどくさがりでバカなやけど、皆そんなが大好きなんや。力になりたいんや」
『奈央…バカは2回も言わなくてもいいと思うけど…本当にありがとう』