第9章 猫王子といじめ
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翌日。昨日赤司とペナルティを受け部活時間が短くなり、夜遅くまで練習し、寝坊。そのせいで朝練に出られなかった。不覚…
『おっはよー!って、どうしたの?イケメン転校生でも現れたみたいな人だかりが1組に…』
教室に入るといつもの倍以上にざわざわしていた。そして謎の集団。宗教?
『ちょ、あたしも混ぜろ!!!流行に乗り遅れるなんて一生の恥!!!』
奈央「!!!」
『おっと奈央たん!おはようさん!ってどうしたの?泣きそうな顔して…』
女子生徒「…」
男子生徒「…お前…」
『は?ちょ、何?皆してどうしたの?いきなりそんな顔されてもわけ分からないんだけど』
よく見れば他のクラスの友達もいる。よくこの教室に入ったなぁなんてのんきに考えてるから、さすがあたし。すると少しずつ人が左右に分かれ、あるモノが見えてくるが、まだはっきりとは見えない。
『え?誕生日プレゼント?やだなぁ皆気が早いよ!!!でも貰ったものはありが…た…く………』
皆はあたしの机を囲んでいた。そのあたしの机の上にはあたしが昨日まで履いていたバレーシューズが、無残な姿になって置かれていた。
奈央「ウチが朝来た時にはもう…最初に発見した子が言うにはもうこの状態やってん…」
『…』
女子生徒「私達が最初に見つけたんやけど…ごめん、もっと早く来ていればこんな事には…」
『…だ』
男子生徒「普通ここまでやるか?正気やないで」
『…れだ』
女子生徒「酷い…よりによって靴なんて」
『誰だって聞いてんだよ!!!!!!!』
あたしの声は自分でもびっくりするくらい怒りに満ちていた。皆びっくりして、恐怖の色が浮かんでいる。だけどそんなのは今、あたしには関係無かった。