第6章 ひと夏の思い出
「ずっと下向いてるみたいだったけど……なんかあったの?」
「私……この服に合ってないのかな……って……」
「こんなに似合ってるじゃん♪ 他の男がジロジロ見てるのはめっちゃ腹立つけど、そんだけ俺の彼女が可愛いって実感させてもらってるって思えば我慢できるかな~って♪」
「え……?」
「だから~……」
ジロジロ見られてたのは、私が変だからだと思っていた。
でも、徹は可愛いからって……。
「ちょっと~? 雪乃? 聞いてるの~~?」
「ご、ゴメン、私、てっきりこのかっこが変だから見られてるのかなって思ってた」
「そんなことないよ! 俺にはもったいないくらいの美人さんだよ♪」
「//////」
そんなやり取りから始まったデート。
徹は自然に過ごしてるけど、私はやっぱりまだ人前で手を握る事さえ恥ずかしい。
今日は心臓が何個あっても足りない気がしてきた。