第3章 〜sidestory〜
俺は雪乃を抱き上げ、彼女の部屋へ向かいベットへと下ろした。
「おやすみ、雪乃……」
彼女の額にそっと口づける。
彼女の目が開いたような気がしたけど、俺の眠り姫は未だに起きる気配はない。
俺は彼女の家を出て学校へ向かった。
うだるような暑さが、これが現実であることを痛感させる。
彼女が夢だと思っていた事は、俺にとっては紛れもない現実。
長い間隠してきたこの気持ちをもっと早く伝えていればよかったと後悔しても、今が変わることはない。
「あぁー、バレーやりてぇ……」
誰に言うわけでも無く、俺はそうつぶやくのだった。