第3章 〜sidestory〜
小さい頃から俺の周りには、男女問わず人が集まってきていた。
それが当たり前だと思っていた。
でも、中学に入って隣の席のつり目の彼女は他の子とは違った。
俺も他の奴らと同じように接してくれた。
普通に接してもらえる……。
ごく当たり前の事なのに、俺には凄く新鮮に感じた。
彼女にとっては普通の事でも、俺にとっては特別扱いに等しい。
俺は、いつの間にかバレーと彼女の事ばかり考えるようになっていて、毎年クラス替えの発表の時期になるとソワソワしていた。
彼女と同じクラスになれるように……そう考えている自分はなんだか女子みたいだなんて思う。
それでも、俺にとっては一大行事なのだから仕方ない。
日頃の行いが良かったからか、無事3年間同じクラスになる事が出来た。
毎回、誰にも気付かれないよう心の中でガッツポーズしていた。