第6章 ひと夏の思い出
「あー、夏休みなんてあっという間だな~、明日からはまた学校だよ?」
「うん、でも、学校始まれば、毎日会えるよ?」
「あ、そっか♪ そう考えれば、辛くないね♪ 雪乃は天才だ!!」
徹は嬉しそうに鼻歌を歌ってる。
そんな徹をみて、私も楽しくなる。
「今日は遅くまで連れまわしてゴメンね?」
「こちらこそ、ありがと♪ また行こうね?」
「そうだね♪」
家の前という事もあり、今回は触れ合うだけのキス。
「また明日」
「また明日」
徹が見えなくなるまで見送るのが日課になった私。
角を曲がってもしばらくはその場を動かない。
楽しかった分、寂しさも増すから……。
私は空を見上げ、涙がこぼれないようにする。
「今日は星がきれいだな~」
涙でよく見えないけど、そんな気がした。