第3章 〈其の手を〉
「……首領さんに会う方向でお願いします」
「いやぁ良かった良かった。
会ってくれないなんて云ったら本当に拷問する処だったよ。
じゃあ首領の部屋に行こうか」
…よし、全力で首領さんに気に入られないようにしよう。
そしてあわよくば首領さんに『お前は要らない』ッて云われるんだ!
色々考えていたら気付くと扉の前に。
「エリスちゃーん!
一寸だけだから!一瞬このドレスを着てくれたら良いから!」
「嫌よ!着たくない。何回も云ってるじゃない!」
中から聞こえてくる2つの声。
恐らく首領さんと首領さんの趣味の幼女だろう。
…切実に帰りたい。