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私の妊娠物語 〜20ヶ月の妊娠生活〜

第9章 死産




ナース「赤ちゃんに会いますか?」


出産が終わった後ナースさんが尋ねてきた。
会わない選択も出来るらしい。


凪「海、あんたどうする?イヤやったらオレだけ会うけど?」


彼氏「何言うてん!?オレも会うわいな!!」


ナースさんに赤ちゃんを連れて来てもらい彼氏と交代で抱っこする。
かなり重くて、聞いてみたらやっぱり4000gは超えてた。
正確には4200gの、大きな女の子だった。


凪「うちの家系やっぱ女が産まれる率高いな」


母「ホンマやな。ババちゃん(祖母の呼び名)母さんとオバちゃんの2人女産んでるし、母さんもアンタと妹産んでるし、オバちゃんとこだけが男ばっかり産んでるで」


凪「ホンマやな〜」


他愛もない話をして笑う。
笑って誤魔化すしかなかった。


女医「胎盤も臍帯も異常ないですし、原因は一切わかりません。解剖して詳しく調べた方が病院側としても、これから産まれてくる赤ちゃん達の為にもなると思うんですが、どうですか?無理に同意してほしいとは言いませんが……」


原因は確かに知りたいし、これから産まれてくる赤ちゃん達の事を考えれば調べてもらった方がいいんだろう。
けどやっぱり、死んでしまっても自分の子供を解剖なんてされたくない。
それは彼氏も母も同じだった。


彼氏「すいませんけど、解剖には同意出来ません」


母「申し訳ありません」


女医「いえいえ、大抵の方はそれが普通です。誰だって自分の子供や孫を解剖するなんて同意しません」


そう言って女医さんは笑った。
けど私は、本当は自分の子供だから解剖したくないとかそんなんじゃなかった。
解剖してこの先産まれてくる赤ちゃん達が助かるならそれが良いと思うし、原因も知りたい。
でも同意しなかったのは解剖して原因がわかったとして、その原因が自分だったと言われるのが怖かったから。
我ながら最低だと思う。


ナース「それじゃ病室に戻りましょうか。赤ちゃんに会いたくなったらナースステーションに声掛けて下さい。車椅子を用意しますか?」


凪「いやいや、そんな大層なモンは要らないです。自分の足で歩いきます」


なんて言ったものの、実際台から降りて立ってみると結構足がガクガクした。
手すりに捕まり彼氏や母に手を貸してもらいながらなんとか病室に戻りベッドに転がる。
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