第9章 死産
次の日、朝6時過ぎぐらいに検温と血圧測定をして7時にMFICU(母体・胎児集中治療室)へ入る。
そして8時ぐらいに子宮収縮剤の点滴を開始した(この時何回も失敗された)。
ナース「何かCDかけましょうか?」
ナースさんからCDケースを受け取り種類を見る。
凪(J-POPにバラード集に洋楽にジブリオルゴール…ありきたりやな……)
あまり好きな曲がなかったので自分の携帯から音楽を流してもらった(本当はダメだけど駄々こねた)。
部屋の中に私のお気に入りのボカロ曲が流れる。
色々準備する為かナースさんは部屋を出て行き、そのまま暫く1人でほっとかれる(母はいったん家に帰った)。
暫くして約5分おきにお腹が張るようになった。
この時はまだ全然痛くなかったのに、昼前になると2分おきぐらいに結構な痛みがくる。
痛いのは約1分間で、そのうちの30秒ぐらいがとくにキツい。
例えるならば子宮を雑巾の様に絞られる感じ。←(汚い
こんな感じで暫く1人で痛みに耐えていると女医さんが内診に来た。
そしてその内診が一番痛くて、指をかなり奥まで突っ込まれる。
声も出ない痛さとは正にあの事だと思う。
凪「〜〜〜ッッ!!」
毛布を掴んで悶絶する。
女医「う〜ん…まだ5cmやね〜」
凪「せ、先生…あとどんくらい掛かるんスかね……?」(汗
死に掛けみたいな声を出しながらプルプルする手を先生に伸ばす。
女医「アハハ、ちょ〜っとわからんねぇ…。バルーンが抜けるくらい子宮口開かんと……」(苦笑
私の手を握って苦笑いしながら言う女医さん。
そしてまた1人でほっとかれる。
凪(母さん早く来んかな…?彼氏は仕事やから夕方まで来やんやろうし…)(泣
辛くて半ベソをかいていると、ナースさんと母と彼氏が入ってきた。
ナース「お母様と彼氏さん来られましたよ〜」
凪「えっ、ちょ、なんでお前が此処におるねん?仕事はどないしたんや?」(汗
母だけでなく仕事中なハズの彼氏までいて思わず跳ね起きた。
彼氏「心配すぎて仕事が手に付かんかったから早引きしてきたんや!!大丈夫か!?」
凪「獅子舞でも踊れるような具合に見えるか……?」
彼氏「あ、いや…ご、ゴメン……」(汗
私達のこのやりとりを母は笑って見ていた。
2人が来た事で少し安心した。