第9章 死産
凪「そうかもなぁ…姉ちゃんが悪いんかもしれんなぁ…。けどな、人の生き死にに関して他人が何か出来る事なんてほとんどないんやで?姉ちゃん確かに動き回ったりしてたけど、健康には気を付けたしお腹はしっかり守ってたんやで?だから結局な…最後は自分やねん……」
こればっかりはもう運とかDNAとかそういうレベルの話で、どんな事にしろ最終的には自分自身が全ての決め手なのだ(生死に関わらず、色んな物事でも)。
他の人からすればソレは「冷たい」とか「罪悪感から逃げたいだけ」とか思うだろうけど、少なくとも私はそう思う。
だから私は自分を責めたりしない。
誰のせいでもない。
私は妹を抱き締め、自分自身に言い聞かせる様に言いました。
夜になって妹は迎えに来た祖母と家に帰り、母は病室に残って一緒に泊まってくれる事になった。
晩御飯を食べた後、私はせっかくなので母が私を産んだ時の事を聞かせてもらった。
妹は帝王切開で産んだので、母は私を産んだ時しか出産の痛みを経験していない。
今回は強制出産なので恐らく普通に産むのと同じぐらい痛いに違いないと思い、怖くて母に『出産の時にどのくらい痛かったか』とか、『産んだ後はどんな処置をするのか』とか色々聞きました。
話しているとあっという間に就寝時間がきて2人でベッドに寝転がる(母がきたらどんな時でも一緒に寝る)。
2人でくっ付いて(お腹出っ張ってるけど)いざ寝ようと言う時、ふと母が尋ねてきた。
母「あんたは…今回の事で妊娠した事後悔してるか?」
凪「ううん、してへんよ。結果はこんな事なってもうたけど、後悔とかはないなぁ……」
母「そうか…。あと、今回の事で自分責めたりしなや?あんたはすぐ自分が悪いと思うクセあんねんから……」
凪「大丈夫や、別に自分が悪いなんて一切思ってへんよ。今回は運がなかったってだけの話や。だーれも悪い事あれへんねん」
そこまで言って、私は母を抱き締めた。
凪(まぁ、せやからって…何にも思わんわけじゃ…ないけどさ……)(ポロポロ
また涙が溢れてきて、母の胸に顔を埋めた。
母は黙って頭を撫でてくれ、その心地良さを感じてるうちに私の意識は途切れた。