第8章 宣告
実はこの時、お腹の子供の事に関しては全然心配してなかった。
この時の心配の種は毎年の事ながら後輩…1年生達の事。
夏のショーケース(芸能コース2大イベントの1つ)や文化祭の舞台も経験しているにも関わらず、まだ舞台でしてはいけない事が分かっていない。
舞台裏では走り回るし導線(人が通る為の通り道の事)も確保出来ていないし練習中や先生が話している時のお喋りは絶えないし……(などなど。
しかもこの年は1年生だけでなく2年生(私の学年)までもが騒いだり練習をサボったりと、後輩達に示しがつかない様な行動をしたので頭が痛かった。
舞台監督を任されていた私は文化祭の時と同様、イライラと苦労が絶えなかった。
凪(なんべん注意しても直らん…練習にすら参加せん奴もいる…どないしたらええねん……)(汗
この頃、学校の問題以外にお腹の悩みも浮上してきた。
凪(そういえば…ここ最近胎動感じへんなぁ…)
9ヶ月に入って最初の頃はまだ感じていたのですが、暫くしてから胎動を感じなくなったんです。
心配になって井上先生に聞けば「アタシもちょこちょこ胎動感じんくなったり感じたりの繰り返しやったから大丈夫やと思うで?」との答えが返ってきたので、「ほな大丈夫やろ」とあまり気にしませんでした。
そうこうしている内にあっという間に3月に入り、本番が間近に迫る。
そしてやっと妊娠10ヶ月に入り、臨月を迎えた私はイライラも吹っ飛ぶくらいはしゃいでました。
彼氏「もうちょいでココから出られるからな〜♪出てきたら父ちゃんがいっぱい遊んだるからな〜♪」←(1番はしゃいでる
これでもかと私のお腹を撫で回しながら中にいる子供に話し掛ける子煩悩確実な彼氏。
凪(小学生になったらモンスターペアレントになってそう……)(汗
そんな事を考えていたら…
グルゥウウ〜〜〜!!
凪「うおっ!なんや!?」
彼氏「え!どないしてん!?」
凪「なんや今、腹ん中で赤ん坊が大回転したみたいな……」
痛みは感じませんでしたが、確かに中で子供が大きく動いた感じはしました。
凪(もしかして……逆子治ったか!?)
6ヶ月目の検診で逆子と言われていたのでそれが治ったのかもと呑気に考えていましたが、今思えばこの時すぐにでも病院に行っていれば、この子は今も生きていたかもしれません……。