第7章 はしゃぐ妊婦
いつもの様にみんなで年越し蕎麦を食べながら大人達は紅白を見て、子供達はガキ使を見る。
そしてお酒も入って良い気分になってきた大人達と年越しでテンションが上がってる子供達は歌い出す。
従弟・三男「そして〜か〜がや〜くウ・ル・ト・ラ・ソォウル!!」
叔母「ええぞええぞ〜!!」
叔母・夫「なっちゃん歌手目指してんねやろ?せっかくやから歌ったらどうや?」
凪「ほな、オレの十八番を…」
叔母の旦那さんにマイク(カラオケ器持ってた)を渡され、曲を入れ席を立つ。
凪「あの頃は〜 二人共〜♪ 何故かしら〜 世間には〜♪」←(ノリノリ
楽しくてテンションが上がり、和田アキ子の『古い日記』を熱唱する妊婦女子高生。
17歳のクセに選曲が古いと自分でも思う。
仕方ないんです。
年寄りばっかの家で育ってるから仕方ないんです。
凪「恋のぉ〜、小さなアパートでぇ〜 ハアッ!!」←(ハアッ!に力クソ入れる奴
いつも通り騒いで年を越し、その瞬間あけおめメールとLIENが一斉に届く。
そして年が明けた瞬間みんな集まり、我が家の子供恒例『今年の目標』を決める。
叔母・夫「長男くん来年は受験生です。もっと勉強頑張りましょう」
従弟・長男「へいへい」
叔母「あとテニスも頑張りましょう」
従弟・長男「あいよー」←(テニス部所属
従弟・次男「オレは次6年生になるから、勉強頑張ります!!」
叔母「うんうん、よろしい」
従弟・三男「オレは野球頑張る!!」←(少年野球やってる
叔父「大人なったら阪神入るんやもんな〜♪」
順々に長男から目標を言っていき(長男は親が言ったけど)、私の番が回ってきた。
叔母「なっちゃん、今年の目標は?」
凪「えっと〜、オレは〜……」
頭を捻って考える。
実は私、毎年目標は立てても達成した事はあまりないんです。
凪(けど…コレはちゃんとせんとなぁ……)
お腹に手を当てながらそう思った。
いつも三日坊主で途中で投げ出す事がほとんどだったけど、コレばっかりはそんな事出来ない。
凪「オレはもうすぐ子供産まれるから…今までみたいに好き勝手せんとしっかり母親やりたいです……」
私の言葉にみんなは笑って頷いてくれた。
この目標はこの年だけでなく、これからもずっと目標です。