第5章 意思と覚悟
夜になり叔父が帰ってくると、そこに彼氏も交えて話し合いをする事になった。
最初に彼氏が自己紹介すると、「あんたにも彼氏がおったとはな」と笑いながら言われ(因みに言ったのは祖母)キレそうになりました(笑
初めての真剣な話し合いの場に緊張しながら恐る恐る妊娠を伝えると、叔父の顔付きが変わり、怒りがヒシヒシと伝わってきた。
彼氏「大事な娘さんをまだ高校生で妊娠させてしまったのはオレの責任です。凪を責めんといたって下さい」
ビクビクしていた私の代わりに彼氏が頭を下げた。
祖母が何か言おうとしてたが、叔父が「黙っとけ!」と怒鳴ったので何も言わなかった。
叔父もそれ以上何も言いいませんでしたが、怒りの籠った目で私達をずっと見てました。
そのまま暫く誰も何も言わないまま時間だけが過ぎ、30分ほど経って漸く私は声が出ました←(ずっと怖くて喋れなかった奴 。
凪「オレさぁ…ずっとオッサンが怖かってん…。オッサンがあのクソボケとは違うってわかってるけど、あいつのせいで男がみんな怖なった……」
一度染み付いたトラウマは、簡単には払拭出来ない。
義父のトラウマで私は一時期、極度の男性恐怖症になった。
この頃には大分マシになっていましたが、それでも大人の男性はみんな怖かったです。
叔父は私の言葉に一瞬ショックを受けた様な顔をしましたが、とくに何も言わず、ただ黙って私の話を聞いてくれた。
凪「それにオレはオッサンに養ってもらってる身やから、オッサンの言う事には今まで1回も反対した事ないし、逆らったりもせえへんかった……。せやけど、今回だけは…自分の意思で決めたい……」
私がここまで叔父に何かを強く主張したのはコレが初めてでした。
身内と言えどもやはり遠慮はするわけで、養ってもらってる分叔父の言う事には反対したり逆らったりはしないようにしてきた。
けど、今回ばかりは話が別だ。
一つの命を預かっている…だから引けない。
反対されても、身内の縁を切られる事になっても、絶対に引かない。
叔父「……出産費用どうすんの?」
凪「へ?あ、あぁ…オレのバイト代と彼氏の金でなんとかするよ……」
予想外の言葉に間の抜けた声が出た。
正直叔父が一番反対すると思ってたので拍子抜けしました。
叔父「出産費用は出したるから、あとは自分達でなんとかしいや?」