第5章 意思と覚悟
9月下旬…そろそろ文化祭の準備に取り掛かる時期。
この年は確か私達の学年は『プチパン』なる物を屋台で出しました。
名前はまぁシャレてますが、ただ単にタコ焼き機でパンケーキの生地を焼いてカステラっぽくしただけですが(笑
結構力仕事が毎年どの店も多いのですが、まだ安定期に入ってなかった私はみんなが気を利かせてくれたので裏方(生地作ったり)の仕事に回りました。
あと文化祭では毎年生徒が舞台に立ってアフレコや演劇、歌を披露する場が設けられます。
私も1年生の頃に出演したのですが、この時ばかりは流石に辞めようかと思いました。
でも後輩達が誘ってくれたので、後輩達のダンス演目のバックヴォーカルとして出演しました。
そして本格的に準備が忙しくなってきた頃、休みの取れた母が妹を一緒に連れてこちらに来てくれる事になりました。
平日だったのでみんなには悪いけど、その日だけ休ませてもらいました(ゴメンよ)。
連絡ナシに突然来た母に祖母は驚いてましたが、私が学校を休んだ理由に関係あるんだと感づいて私に詰め寄ってきました。
緊張しながら妊娠している事を言うと、やっぱり怒られました。
祖母「あれだけ間違いだけは犯すなって言うたやろ!?何遊んでんの!?」
凪「はあ!?遊んでないわ!!お前知らんやろうけどなぁ、オレ彼氏おるんじゃ!!」
祖母「同じや!結果間違った事してるやないか!!」
凪「何が間違ってんねん!?年齢的にはアレかもやけど、恋人の子供身籠った事がそんなにアカンのか?ふざけんなクソババァ!!」
怒鳴り合いの大喧嘩を妹の前でしてしまった事を後で後悔した(スマン妹よ)。
隣で見ていた母に祖母に対しての口の利き方を怒られたが、好きな恋人との行為を間違った事って言われたら誰だって腹立つと思いません?
お互い暫く怒鳴り合った後、息を整えてから祖母が口を開きました。
祖母「……彼氏は何て言うてんのや?」
凪「めっちゃ喜んでた。『よくやったー!』って言うてハシャいどったわ」
祖母「産んでどうするんや?」
凪「二人で育てるし、おババらに迷惑は一切掛けん。せやからこの子は絶対産む」
今まで生きてきてこの時が一番マジメに家族と話した時だと思います。
キッパリ言い切ると、「卒業するまでは面倒見たるわ…」と祖母が言いました。
第1の問題、クリア。