第3章 学校と親
母「あんたがホンマに産みたいって思うなら、母さんは何も言わへんよ……」
携帯越しの母の優しい声が聞こえてきて、思わず涙が溢れました。
母はたぶん、私に負い目を感じていたんだと思います。
一緒に暮らせず祖母に私を預けている分、祖母と叔父には頭が上がらないし、私にも負い目を感じている分強くはモノを言えないから妊娠を打ち明けても怒らなかったんだと思います。
でも、仮に一緒に暮らしていて怒っていたとしても、母はきっと産む事は許してくれたと思います。
実は私の母も状況は違いましたがデキ婚で相手(私の実父)と仲が悪かったのに私が出来て仕方なく結婚したそうです。
けど私が産まれても相手がまったく働かなかったらしく、産まれて僅か6ヶ月で離婚したそうです。
母も母でこんな妊娠・出産物語を持っているので、怒っていたとしても今回の件に関しては許していたと思います。
祖母と叔父に話すのは母がこっちに来て一緒に言ってくれると言うのでもう少し待つ事にしました。
電話を切る時、最後に母は「やっぱりあんたは母さんの子やなぁ…」と言いました。
凪(オレ、母さんの娘で良かったで…)
母の言葉に心の底からそう思った。
次の日学校へ行くとまたしても高等から呼び出され、高等の事務局に向かうと個室に通され色々言われました。
高等先生「井上先生に言われたから学校には居てもええけど、この事絶対誰にも言うなよ?仲のええ友達にもや」
凪「なんでお前にそんなん決められなアカンねん?鬱陶しいな…」
イライラして無理矢理部屋から出てホームルーム教室に向かいました。
このイライラは妊娠からくるホルモン変化とも関係あったんだろうか?
高等の先生はああ言ってたけど、1番仲の良い相棒にだけは妊娠している事を言いました。
相棒「えっ!?ま、マジで!?な、凪さん学校辞めるん!?」
凪「辞めへん辞めへん。高等の先公らはグダグダ抜かしよったけど、井上先生が色々言うてくれたみたいやから学校にはおるよ」
相棒「よ、よかった〜…。凪さん辞めたらオレ耐えられんわ〜…」←(因みに女子
因みにこの学校の女子は一人称オレが多い。
凪「ありがとう。相棒ちゃん愛してるよ〜♪」
相棒「オレも愛してるよ〜凪さ〜ん♪」
熱い抱擁を交わしていると後輩に茶化されたので途中で止めました。