• テキストサイズ

非日常パラダイス・第二部【暗殺教室】

第5章 執着の時間




そう思いながら、ベッドで横になって眠るケイトを見つめる。


殺せんせー(この子は、自分よりも

相手の気持ちの方を優先してしまいがちだ。


気持ちが解るからこそ、何度でも…

己を犠牲にしてでも、叶えようとしてしまう。


しかし、それで残る傷は

私も、この子もよく解っている。


どちらも、庇われて失った。

私は、あぐりに庇われて
この子は、母親に庇われて…


だからこそ、己の感情も気持ちも望みも欲も…
全て切り捨てようとし、押し殺し続けてきたものだから

余計に、助けたくて必死なのでしょう…
目の前で失いたくないと言う思いが膨れ上がり

自分を犠牲にしてでも護ろうとしてしまう。



闇の中から助け出してくれたものがいなかったから、余計に。



それは、教育上放置すべきではない。

しかし、今では随分と救われているんですよ?


クラスメイトが、助け出してくれた。

そして、私も烏間先生もイリーナ先生も
助けてくれたのだとさえ、言ってくれている。


傍に居てくれた。
大切に想って、接してくれた。

話を聴いたり、一緒に笑ったり…


そういったことが、なかったからこそ……



私もね、救われてるんですよ?

それなのに、この子は…


純粋な瞳で、真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれた(ぽとっ)



それが、どれほど救いになってるのかも知らずに…」

気付けば、言葉が口から出ていた。


涙ながらに、あぐりの画面に向けて呟いていた。

話したかった言葉も、想いも…全て込めて。



殺せんせー「…すみません。

涙なんて、久しく流していないというのに…


結構、自由奔放に教師をやっています。


だからあぐり…

あの世でも、どうか幸せに。


この子もまた、そう望んでいるから。

それを望んでいる人がいることを、決して忘れないで下さい。



そしてそれは…

この子にも言えることなのだと、この子自身が気付いてくれればいいのですが……


…ケイトさん。
私が、何か方法を見つけます…

あなたが、のびのびと自分らしくいられるように……


勝手だと思われるくらい、自由な心を

あなたが殺す事を選んだ『あなたらしさ』を、手にするためにも


それは、失っちゃいけない『大事なもの』だから^^(なでなで」

そう、先生は頭を撫でながら微笑んだ。

/ 440ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp