第5章 執着の時間
イトナが目を覚ました時
ちょうどケイトもまた、目を覚ましていた。
殺せんせーによって
マッハで、自分の家のベッドに寝かせられたことを理解するや否や
ケイト「助けに行かないと」
そうベッドからすぐに起き上がって、出ていこうとしたが…
ぽおぉぉぉ
出ていこうとドアノブに手をかけた直後
背後の窓に、太陽のような光が目に入った。
それは、ケイトだけのようで騒ぎにはならなかった。
ケイト「………始祖神?」
始祖神「……行くつもりか?」
ケイト「ああ!イトナを助けに
始祖神「行かなくてもいい。
それよりも…
なぜ、あんなことになったのか解っているか?
それは…
前にケイトへ託した力を使って、私を復活させるのではなく
ケイトが生まれ持った力だけを使ったからだ。
お前にとって、生まれ持ったものと
後から託されたものとでは、馴染み方が全く違う。
どういうつもりで…そうやった?」
ケイト「…知らないよ。
皆には、あぁは言った。
でも…実際は違っていた。
大切なものを護ることに必死になって、執着していたんだ。
自分に対しては護れなかろうが、傷付こうがどうでもよかったのによ……
それが、あっという間に変わっていった。
……でも、あの時ばかりは
ただただ必死だったんだ。
岩から、記憶が伝わってきた。
負の邪念が、人を襲おうとする化け物になったって…
その時、始祖神が
白い光の球が、皆から伝説の記憶も
実験材料となった男性の記憶も消して、助けて下さったんだって…
何で…洞穴で過ごしていた人たちが……
石板になったんだよ!答えろ!!」
始祖神「!」
その言葉に、始祖神は驚きを見せた。
『何故、知っている?』
確かに、その声が聞こえたし
その言葉によって何かが揺れているのが、ケイトには視えていた。
ケイト「あの時…
石板と向き合った時(第一部・389参照)、感じたんだ。
『…何だろう…
この…
すごく、懐かしい感じは…』って。
懐かしいも何も、当たり前じゃねえか…
私の、祖先なんだから……
(ぎり)
何で、始祖神を復活させてから霊感が鋭くなっていくんだよ!(涙目)
何でっ!
手にした時には気付かなかったのに解るんだよ!!
全部、説明しろよっ!!!(涙」