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非日常パラダイス・第二部【暗殺教室】

第5章 執着の時間




イトナ(いや…


あいつの場合、力は力でも

相手を安心させようとする、温かい力だった。


幸せを望んで、その笑顔を好んで…

ただ、それを見るだけで幸せそうに笑う奴だった…


結局は…

それが、一番の答えだったのかもしれない。


だが、俺はそうはなれない)


その時、脳裏に浮かんだのは…

2年前の出来事。


イトナの父「ご覧、イトナ。

うちみたいな小さな工場でも
誠実にコツコツやっていけば、どんなに大きな企業でも勝負ができるんだよ?」

イトナ(そんなものは…まやかしだった)


イトナの父「どうして!?
うちの技術を全部知ってる君たちにやめられたら!」

イトナ(勉強も誠実も意味はない。

それを上回る、圧倒的な力の前には…!)


イトナの父「すまない、イトナ。

おじさんの家に世話になりなさい」

イトナ(意味なんて…ないんだ)


そう思う中、目を覚ますまで…


殺せんせー「イトナ君に力や勝利への病的な執着がある限り、触手細胞は強く癒着して離れません」

片岡「なんとか切り離せないのかな?」

殺せんせー「彼の力への執着を消さなければ。

そのためには、そうなった原因をもっと知らねばいけません」


中村「でもなぁ」

前原「身の上話なんて素直にするとは思えねーな」

そんな時、不破が声をかけた。


不破「そのことなんだけどさぁ」

渚「ん?」

不破「気になってたのよ。


どうしてイトナ君はケータイショップ襲ってたのか。

で、律に彼に繋がりのあるものを調べてもらったんだけど…


そしたら、「堀部イトナ」ってここの社長の子供だった」

皆はスマホを見て驚いた。


『!?』

不破「世界的にスマホの部品提供してた町工場だけど、一昨年負債抱えて倒産しちゃって。

社長夫婦は息子残して雲隠れだって」


渚(…なんとなく、みんな想像がついてきた。

イトナ君が「力」や「勝利」を欲しがる理由)


寺坂「けっ。つまんねー。それでグレただけって話か。


皆それぞれ悩みあんだよ。重い軽いはあんだろーが。


俺等んとこでこいつの面倒見させろや。

それで死んだらそこまでだろ?」


それから後…

シロが、上記のことを思い出してから目を覚ました。

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