第5章 執着の時間
ケイト「イトナ!一緒にあそぼ!(微笑」
当時、俺はまだ5歳だった。
イトナ「別にいいけど」
ケイト「よぉ~し!
じゃあ山に行こう!山菜取り~!^^」
悟「まだダメだぞ~!
お前はまだ小さいんだから(なでなで」
ケイト「やだやだやだあ!!
いっつも昔っからそうじゃんかあ!!
今日!今すぐ行くんだああ!!!(ぶうう」
頬を真っ赤にして
ぶんむくれながら、その場に大の字になって駄々をこねて叫ぶケイトに
悟「弱ったなあ;(苦笑」
ケイトの父親は苦笑交じりに、頭をかいて
イトナ「っぷw
あっはっはっはっ^^」
俺は思わず笑っていた。
そうだ…何で、俺は忘れていたんだ?
あの時(第一部・377ページ参照)
あの笑顔を見て、想い出しかけていたはずだったのに…
大事だって言ってくれたあいつが、おかしくてたまらなかった。
傷付けようとしたはずなのに…
殺そうとさえ、思われたはずなのに……
それでも、笑顔を向けていられる意味が解らなかった。
けれど…それを視る度……
なぜか、俺の心は…
とても、安心したんだ。
だから…
あの時(第一部・378ページ参照)、なぜかふっと笑えたんだ。
あいつが、とても強いのは見ていてよく解っていた。
ちょいちょいドジを踏んでばっかりで
それでも、相手を心から思い遣ろうと心配し続ける態度は…
とても嬉しく感じると同時に、うっとおしくもあった。
だが…
俺もまた、大切に想っていた事には違いなくて……
一緒に遊んでいた時が、とても幸せだった(微笑)
再会してから
下手をすれば、兄さんよりも強いことに驚いた。
どれだけ強いのかは、触手が教えてくれた。
あの時(第一部・178参照)
その強い意志を宿した眼も、正義感も…
あの時(第一部・180~183参照)…
強さを語ってくれたことも、その想いも……
全部、ちゃんと伝わっていたのに……
あの時(第一部・377参照)
差し伸ばしてくれた手を受け取らなかったから…
イトナ「ぐっ!」
俺は今…
ここで這いつくばっている。
(そう思う中
イトナはトラックから、ネットごと地面へ叩き降ろされた)
(4月28日PM11:39~29日AM1:02、76~80(5ページ)更新)