第4章 泥棒の時間
その想いが通じてか、視えてか…
ケイトさんは、驚きで目を見開いていた。
それに向けて、私は言い続けた。
少しでもわかって、これからの足しになれば…
そう、思ったから……
殺せんせー「自由に生きればいい。
自分を閉じ込めず、好きに走っていっていいんです。
制限を作っているのは、周りではなく自分です。
気遣い過ぎず、殺さず…
自分がありたいように、自由に羽ばたいていいんです。
受け止めてくれる人が、ここに居るんですから^^」
ケイト「…(涙目」
そう言いながら、そっと抱き締めて頭を撫でると
黙ったまま俯いているのが、視えた。
殺せんせー「だから、ケイトさん…
大丈夫ですよ…(微笑&抱き締め、背と頭を撫でる)
好きなように、ありたいように生きていいんです。
私も、先生方も、クラスのみんなも受け止めてくれます。
だから…
だいj
どごっ!!
殺せんせー「ぐはあっ!!・・;」
その衝撃は、とても強くて
今までのような加減をしてきたようなものではなかった。
だからこそ、余計に避けていいものではないように感じて
避けずに、そのまま受け止めることを選んでしまった。
殺せんせー「何で急に腹を殴るんですか!!;
先生じゃなかったら死んでましたよ!!?;(滝汗」
そう叫ぶ中…
その左拳を、未だに腹に触れたまま震えているのが目に入った。
そして…
一粒の透明な雫が、草むらに落ちていったのもまた見えた。
ケイト「震え)…うるさいんだよ…バカっ;」
声をひきつらせながら言うそれは
とても辛そうで、それでいながら嬉しそうで……
昔の自分と、同じだった…
自分も人も信じられないまま、絶望しか見えないまま生きてきた。
一つの理しか、信じられなかった。
ケイトさん、あなたもまた…
相手に何をされたとしても大事にする事しか
その笑顔を見ることで得られる幸せしか、信じられなくなってしまった。
何をしても、何も感じなくなるよりも前に…
取り返しのつかない事になるよりも前に…
失った時は、もう戻らない…
でも……時は繋がる…
それ以上に、満ち足りたものへ…
何よりも、掛け替えのないものへ……
(殺し屋時代の光景と
あぐりとの光景が、脳裏にありありと浮かぶ)