第3章 フリーランニングの時間
肩を震わせながら笑うカルマくんにツッコんでから
渚「っていうか、時間切れまでどうやってしのいだの?」
戦いの経緯を知りたくて聞くと
ケイト「決まってるじゃん。
ツタで動きを抑制して
その間に木の枝で手袋の隙間に入れて、がんじがらめに縛りあげた(にや」
すっごく簡潔に説明してくれた;
あ、無論細かく聞くと教えてくれたんだけど^^;
ケイトちゃんが持ってきていたツタ自体
数m同士のを繋ぎ合わせたものだったらしくて
まず岩を拳で粉砕させて、煙幕を作り出す。
実を言うと
その岩はもともと細かい岩となって粉砕するように
通りかかる前、つまり最初から細工されていたらしい。
しかも、裏山にある道の近くにある手ごろな岩の全てを
ツタを集める時に同時進行で、その地点を覚えながら。
渚「用意周到というか;凄い;」
だけど、僕へ向けて走ってきたのが
その場所が近くにあったのを思い出してか
烏間先生の性格から、ケイトちゃんに負けたこともあったから
その経験を生かすために戦うことを尊重すると思うのを読み取ったからかは
未だに謎だ…;
まあ、ともかく
その煙幕を張った直後から、煙に紛れながら
先に岩の欠片をくくり付けて投げて、一本の木の幹に縛った。
その直後から、移動開始!
じゃり!
煙幕が出来上がってから10秒後、そうなった音は
欠片を踏んだことで、欠片同士がこすれ合ったのかと思ったけど
実際は違っていた。
それは、ツタにくくり付けた岩の欠片をはずし
もう一方の岩の欠片にこすり合うように当たるよう、投げつけた音だった。
それに紛れながら、すり足で音がならないように注意しながら
小走りに周囲を走り回り、次々に巻き付けていっていたらしい。
最小限かつ最大限威力を発揮するように。
その木の配置も
岩の配置を覚えた時に叩き込んでいたからこそ
烏間先生の肩から足までの高さを全て設置するのに、10秒でできた…
烏間先生10m四方を2周、10通り。
その間も、煙幕があり続けるよう
岩の煙、空気が分散し切らないような動きになるよう繋げていた。
だからこそ、すぐ散るはずの煙幕が10秒ももった。
びいぃん!!
居たはずだった場所、そこに振り下ろした手が捕まえたのは
その時までに張られていたツタで…