第3章 フリーランニングの時間
そんな中、僕は続きを読んでいた。
『9月19日(土)、霊感フルバースト。
暴れて気を失っちゃった;面目ない;
でも…
殺せんせーが幸せそうで、本当によかった。
昼間からリフレッシュだとかで、合宿することになった。
名目はフリーランニングと格闘みたいだけど…
それ以上に、一緒に入れることがとても嬉しかった。
晩に、カルマたちと話した。
否定しないで、受け入れてくれた。
助けてって言ってもいいんだって、解った。』
その言葉に近くには、涙の跡があった。
一つの水滴の跡があって、その下には…
『本当…今までの苦難が、水に流されていくように感じる。』
渚「この言葉を、聴きたかったんだ//;;(微笑」
最も欲しかった言葉が、そこにはあった。
『今まで、たくさんのことがあった。
でも、おかげで大切なものを見つけられた気がする。
嫌な思いもした。殺されかけたことだってあった。
けれど、そのおかげで出会うことができた。
目の前にある、大切な仲間だけじゃない。
目に視えないもの、心配や愛情や友情や…
数え切れない、大切なものを感じ取れた気がした。
今までに過ごしてきた日々が
今という、それらに集約していっているように感じる。
目に視えない形で次々に繋がっていて…
それが今、こんな形として現れている。
気付かぬ内にまじりあい、離れてはまた…
そういったことを繰り返して、歴史は紡がれていく。
たった一人の人生だったとしても…
それでも、一人だけじゃない。
意図しない所で、どこかに繋がってる何かを感じられた。
一人だけじゃ、生きていけない。
でも、そしたら負担かけちゃうって思ってた。
だから意地張って、大丈夫だって気負って…
けど、それが逆に余計心配かける要因にもなっていて……
視なきゃいけないもの、見失っちゃいけないもの…
聴こえる涙、想い…たくさんの感じられる何か……
それらが、どこに繋がっているのか…少しだけ視えた気がした。
こういうのも、悪くはないかなって思えた。
昔から視えるなって思ってた。
こんな力、どれだけ持ってても
救えなきゃ、助けられなきゃ意味ないって思ってた。
だけど、違った。
意味があるものだったんだって、この日初めて思えた。』