第23章 目覚めの時間
何が何だかわからないまま
とりあえず、二人の背中をポンポンし続ける中
カエデ&渚『ああああああっ!!;』
ケイト「?;?;」
両目を瞑りながら
その両目から、涙がぼろぼろと零れ落ちていく中…
未だに、病室の扉の前で
カルマは唖然としていた。
ケイト「?
カルマ!
この二人、一体どうして…!」
『泣いてるの?』と言おうとした。
聴こうとした。
それでも、その言葉の続きは
声に出なかった。
両目を見開いたまま…
つーと頬を伝って涙を流す姿に、私は…唖然とした。
そんな中、カルマの肩から荷物がずり落ち
床にドスンと音を立てて、落ちた。
その後…
カルマもまた、ベッドへ歩み寄ってきた。
ケイト「…カルマ?」
それに尋ねる中…
カルマ「っ;」
がばっ!!
ケイト「!?」
ぎゅうううううっっ!!!
カルマはいきなり、二人を
私から見て左へ押し退けて、私だけを抱き締めてきた。
ケイト「か…カルマ?(おずおず&汗」
そんな中、当の私は…
未だに、状況の変化に頭がついて行かず
理解も追いつかないまま、冷や汗交じりに尋ねていた。
すると…返ってきたのは
カルマ「どれだけっ;
心配したとっ:思ってっ;」
その声は、上ずってて…
声も、身体も…どっちも震えてて……
両目から
あんなに涙をぼろぼろと流すカルマを見たのは、初めてだった。
その状況と、さっき言われた言葉から…
やっと、解った。
一生、目を覚まさないかもしれない。
その可能性を示唆(しさ)されて、余計に不安になったのだと…
そして…
目に視えたのは……
正面に、泣きじゃくるカルマの姿と
左側からでも、必死に抱き着きながら
涙をぼろぼろと流す、渚とカエデの姿だった。
そしてそこには…
闇や黒いもやなんて、カケラさえもなかった。
夕暮れの灯りがまだ明るく差し込む
日が沈む、10分前…
オレンジの光と
三人の想い…
白い光が、目に差し込む中…
ケイト「眩しいな…(微笑」
私は、目を覚ました。