第22章 分裂の時間
大事に想ってることだって解ってる。
俺だって、大事に想っている。
それでも…
だからこそ、殺すと決めた。
こんなに…
自分の思いをさらけ出せる場所なんて、もう二度と巡り合えない
でも、殺すよ。
それが正しいと、信じてるから……
それから
事の張本人である殺せんせーが
暗殺で始まった教室だからこそ
サバげーで決着をつけようとの話を持ちかけてきた。
『殺す派』と『殺さない派』でわかれることになって
一人一人、理由を言っていった。
そこで始めて、律からケイトの決断を聴いた。
『どちらの気持ちもわかる。
どちらの気持ちも、同じぐらいの強さで共に存在している。
だからこそ、中立を選ぶ』と…
殺せんせー「逆によかったかもしれませんね;
クラス全員を、たった一人で相手どっても
10分もかからず、掠りも埃さえもつけないのですから…;
しかも、弱っていた状態で;」
(第二部・145~150ページ参照)
その意見には同意見だけど…
俺は純粋に、らしいなと感心していた。
必死に力を身につけてきた…
それでもそれは…二度と、失わせないため。
それを見失わず
そのもととなった
『大事に想う心』を取ることも、十二分にあり得た。
それでも…
他の人たちの分まで、ないがしろにするようで気が引けた。
様々な葛藤があって
『中立』という立場を選んだことに、どこか笑えた。
ケイトが、ケイトらしい。
昏睡状態になって、意識がまだ戻らない中でも…
すぐそこに居るようにも感じて、とても安心したような気さえしたのか……
これから勝負だっていうのに
何でか、笑えてきた…(微笑)
(そう、目を伏せてカルマが笑う中
渚もまた、少し笑っていた。
カエデはカエデで、申し訳なさそうな顔でうつむいていた…)
そうして提案に乗ったE組は
両陣営、互いのスキルを生かし
壮絶な消耗戦を展開することになった。