第22章 分裂の時間
渚「ケイトちゃんだって…
きっと、護りたいって想ってるよ。
だって…
いつも、大事だって言ってた。
僕等のことも、教室のことも…
殺せんせーの、ことも……」
そう俯きながら、言う言葉に…
俺は、目を背けられなかった。
意見を押し通らせる勝機とかに関しては
そういうつもりじゃないってことぐらいは、解ってたから…
カルマ「大事だから、護りたい。
そう言う可能性も、十二分にあったよ。
それでも…
大事だからこそ、殺さなきゃって思いもあるんじゃない?
誰かに殺されちゃったら
殺せんせーも俺たち自身も、それまでの時間も…
全部、やりきれないからさ……
そう、想いたかった。
その想いは、きっと同じだった(拳を握り締める)
ずっとケイトは、一人で抱え込んでた。
無理ばっかしてた。
見えてるもんも、聴こえてるもんも…
ヒトにはないものだから、余計にそういう癖がついたんだと思う……
陰で、こっそり泣いてたことも
無理をしてきたことも、頑張ってきたことも…
俺は、その背をずっと見てた。
陰から、ばれないようにこっそりと…
その必死に努力する姿に、俺は少しながらも憧れていた。
なぜか、微笑んでた。
誰もが、必死に努力してるんだってことが解ったから…
だから、俺も決めたんだ。
できる限りの努力はしようって…
目の前にある
大切なものから、絶対に逃げ出さないって……
だから俺は決めたんだ。
殺せんせーを、必ず殺すって…」
何度も、置いてかれた。
何度も、言わないままだった。
その、背を向けたまま先を行こうとし続けるケイトの背中に
俺はふと、手を伸ばした。
すると…
ケイト「?(振り返る)
…(微笑)
行こう!カルマ!^^」
そう、逆に手を差し伸べられた。
それに俺は、笑いながらその左手を取った。
その時、解ったんだ。
絶対に、どんな道を選んでも拒絶したりしない…
その、いつも向けてくる『満面の笑み』は
『大丈夫だ』って、物語っているようにも視えた。
だから俺は…
迷わず、真っ直ぐに信じた道を進もうって決めたんだ。
(6月26日PM11:19~27日AM2:08、406~415(10ページ)更新)