第22章 分裂の時間
渚「第一、暗殺なら僕なんかよりカルマ君の方がずっと…」
カルマ「そういうこと言うから、なおさらイラつくんだよ。
実は自分が一番力が弱い人間の感情、理解してないんじゃないの?」
俯きながら言う渚くんに
俺は後ろ頭をかきながら、苛立ちを隠せないでいた。
渚「違うよ!」
カルマ「ならケイトのこと少しでも考えたのかよ!?
暗殺できないって泣いてたぜ?
陰で必死に努力して!
何度も何度も出来るように必死に頑張って!!
怪我しても死にかかっても!
どうせ勝手に治るからって、必死にやり続けてたよ!!
俺が同居してる時にもさ!!!」
『!!!』
渚「え…」目を見開く
カルマ「何度言っても聞きゃしない。
終いには…
『報われない努力なんてないよ。
努力だけは裏切らない…
その言葉、母上から教わって
今でも気に入ってるんだ^^』
そう言って…
血みどろになっても、ずっと続けてきた……(ぎり)
何度もやって!
何度もやって!!
それでも結局はだまし討ちなんて出来なかった!
格闘は出来ても、暗殺は無理だった!!
空回りしてばっかで
それこそ見るも無残に、失敗ばっかしてさ…(拳握&震)
何度やっても出来ない!
何か月やっても出来ない!!
そうやって挫折しても、絶望しても
人が目の前に居ると、大丈夫だって笑ってんだ!!
それでも隠れて、陰で必死に頑張ってる!!
その努力も、泣いてる姿も見たことあったのかよ!!??
それに寄り添ったこと、一度でもあったか!?
もしかしてさあ…
そのケイトが、今も意識が戻らない状態だから言ってんの?
今だったら勝てる絶好の機会だからさあ!!」
渚「違う!!!
そういうんじゃなくて!
もっと正直な気持ち!!」
それに関しても、もうとっくの昔に考えたよ。
何度でも考えて、その間にあがってきた…
ケイトならきっと、助けたいって言うかもしれないって……