第22章 分裂の時間
そう、賛成派の奴等で盛り上がっている中
渚くんはどこかホッとした顔で、胸をなでおろしていた。
渚(良かった…同じ気持ちの人がいて…)
ざわっ!
それにどこか…
無性に、腹が立った。
俺の中で、言い表わしようがない感情が溢れてくる中…
中村「私は反対」
渚「!中村さん…」
中村「アサシンとターゲットが、私たちの絆…
そう先生は言った。
この1年で築いてきたその絆…
私も本当に、大切に感じてる。
だからこそ、殺さなくちゃいけないと思う」
それから
今度は寺坂が失敗した時の可能性を言い出した。
寺坂「あのタコがそんな半端な結末で
半端な生徒で…喜ぶと思うか?」
それに関しては、俺も何度も考えていたことだった。
渚「で…でも!!」
それでもなお、食い下がろうとしない渚くんに…
俺のイライラは、ピークを超えた。
ぴっ
俺の頭の中にある糸(堪忍袋の緒)が
僅かながらに、音を立ててキレそうになっていた…
カルマ「才能ある奴ってさあ
何でも、自分の思い通りになるって勘違いするよねぇ。
ねえ、渚くん…
ずいぶん調子に乗ってない?(微笑」
木にもたれかかりながら、そう問いかけた。
渚「え?」
カルマ「E組で一番暗殺力があるのは渚君だよね?
その自分が暗殺やめようとか言い出すの?
才能がないなりに
必死に殺そうと頑張ってきた奴らのことも考えず」
そう言いながら、俺は渚くんに歩み寄っていった。
本当に…腹が立った。
言いしれようのない怒りが、心の底から……
胸の内から、はらわたを通り越して
燃え上がっているようにも感じた。
カルマ「それって例えるなら
モテる女がブス達に向かって
『たかが男探しに必死になるのやめようよ~?』とか言ってる感じ?」
渚「そ、そんなつもりじゃ…」
そううつむく渚くんが続けた言葉は
なおさらに、俺を苛立たせていった。