第20章 冬休みの時間
その頃、カルマもまた…
カルマ「…約束、したじゃんかっ…」
一つの想い出と共に、涙を流していた。
スマホに浮かんだ言葉に対し、呟きながら…
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カエデとの戦いに赴くため、すすき野原に行く道中…
ケイト「あのさ…カルマ」
カルマ「ん?何?」
歩きながら、ケイトの隣にカルマは歩み寄った。
ケイト「きっと、厳しい戦いになると思う。
でもさ…
これが終わったら…また、笑い合おうね?
あの時…
洞窟で、水かけ合った時みたいにさ(微笑」
不安そうな…
そんな顔に見えながらも、無理に微笑んでいるようにも視えた。
カルマ「何言ってんの?当たり前じゃん(微笑」
そう言いながら
その震える左手を、右手で取って優しく握り締めた。
ケイト「死にたくない…
生きたい」
『!』
その言葉に、俺たちは足を止めた。
ケイト「そんな思いを蘇らせてくれたのは嬉しいけど…
やっぱ、複雑だな;
恐怖やら不安やらまでが渦巻いてくる。
それまで、殺せていたはずの想いが息を吹き返したみたいだ(苦笑&震」
冷や汗を額に流しながら呟いた言葉に
俺は、それもまた成長だと思った。
そして、笑った。
その想いが通じてか、ケイトもまた笑った。
笑い返してから、例の言葉を言った…
ケイト「よし、決めた!」
『?』
カルマ「何を?」
ケイト「…是が非でも、生き抜いてやる!
お前ら遺して、死ねるか!!(きっぱり」
そう、はっきりと真剣な表情で紡がれた言葉は…
以前までの…
E組に入る前のケイトからは聴けないようなものだったわけで……
それが、俺にとっても
皆にとっても、嬉しくって…
一緒になって、笑っていた。
それが、こんな風になるなんて…
思いも、疑いもさえしなかったんだ。
それから、ケイトは
俺の手をといて、左手の小指を満面の笑みで差しだしてきた。
そして…
一つの約束を、交わした。