第20章 冬休みの時間
一人が泣き崩れる中
もう一人は
冷や汗交じりになりながらも、静かにそれを聴いていた。
肩を震わせながら、泣きじゃくる姿に…
見て見ぬ振りをしながら……
そんな時、カルマの胸中では…
『生きてなきゃ、何の意味もない。
そう思ってた。
それでも、違ってた…
俺は、意識のあるケイトと一緒に…
ずっと、これからも生きていたい。
笑って、泣いて、怒って…
喧嘩してもいいから、ずっと一緒がいい。
目を覚まして欲しい。
言葉が欲しい。
想いを伝えてきて欲しい。
お願いだから…
それさえ叶ったら、何をやってもいいから…
一生のお願い……
起きて』
泣きじゃくりながら、鼻声になりながら…
それでも、必死に語った。
伝わって欲しかった。
起きて欲しかった。
一緒に誕生日を迎えて
何度も何度もおめでとうって言うのは目に見えてた。
派手に登場して、飛び掛かるんだろうって思ってた。
それが、こんな形になるなんて…
思いもしなかったし、望みもしなかった。
だからこそ、余計に…
この想いも、涙も…
誰にも、止められなかった。
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涙と共に、声が響いてた頃…
時を同じくして…
泣いているものがいた。
(6月22日PM10:19~23日AM1:08、388~395(8ページ)更新)