第20章 冬休みの時間
無論、薬に関しては意識が全くないので飲めない=
点滴で投与するしかないとのことによって、管が見えることとなっていた。
ちなみに
呼吸が弱く、意識が不明(深昏睡状態)のことから
人工呼吸器の中でも『気管挿管』という方法で、呼吸を管理するとのこと。
食事などの栄養に関しては、胃や腸が正常に働いているため
胃ろうが増設され
そこにチューブから摂取されるとのこと。
胃ろうとは
簡単に言うと、食べ物を飲み込むことができなくなった時
栄養を取る方法として
お腹と胃を直接繋ぐ小さな穴を作り、栄養を摂取する方法である。
政府にとっても重要人物のため
暗殺などに対しての警護のためにも
ICUの中でも
隔離された個室のような病室になっていた。
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それらを説明されてから入ったものの
あまりに弱々しい姿に、息を飲んでいた…
カルマ「!」
入ってこられたことに立ち上がり
ケイトの祖父母と面と向き合うも…
いつ、目を覚ますか解らない現状から
話しかけられる言葉が見つからず、黙ったままだった。
それに対し…
ぱぁん!!
祖父は、カルマを右平手で叩いた。
祖父「ぎゅう)…」
それからほどなくして、カルマを抱き締めた。
カルマ「!」
祖父「ありがとう…
ケイトを護ってくれて
本当に、ありがとう(震」
カルマ「!…(震&涙目」
ふと、その両者の目に涙が浮かんだ。
カルマ「俺は…何もッ;」
護れなかった。
その現実が、痛切に語らせた。
ただ、失いたくなかった。
そのために、動いたはずだった。
それなのに…
このような現状を、認めたくはなかった。
12月23日は、終業式が行われた日。
その次の日、祖父母は来日した。
そして…
涙を流していた。
生きていることにホッとしたのか
目を覚まさない、深い昏睡状態に陥ったことに怒ったのか…
それは、おそらく
その両方なのだろうと解らせるには十分だった。