第19章 正体の時間
殺せんせー「皆さん!」
渚「!殺せんせー!」
杉野「何で顔だけ!?;」
いきなり見えた殺せんせーの顔に、僕等が驚く中
殺せんせー「茅野さんの猛攻であまりに余裕がなさ過ぎて…
顔だけ伸ばして残像を作るのが精いっぱいでした!;」
菅谷「それはそれで器用だな;」
殺せんせー「ケイトさん!大丈夫ですか!!?;」
ケイト「ああ、へいっ
!!
ごふっ!
げほっ!がはっ!!」
渚「ケイトちゃん!?」
そう尋ねてくる中
未だに肺の中にあったであろう血に咳き込み、次々に吐き出した。
烏間「全部吐き出せ。無理をするな」
そう、受け止めているカルマくんの後ろから
ぐったりとしたまま、血を吐き続けるケイトちゃんの背を
烏間先生は、そっとさすった。
殺せんせー「ケイトさん…
茅野さんの本音は伝わってきました。
あなたを通じて…
あなたに抱き締められた時、とても嬉しそうでした。
触手だけは別に行動していたとしても
その心だけは、変わっていないようにも視えた。
しかし、彼女の触手の異常な火力は
自分の生存を考えていないから出せるものです。
だからこそ
一刻も早く茅野さんの触手を抜かなくては!
あなたが引き出した、茅野さんの本音を生かすためにも!」
その言葉に…
茅野が心の中で叫んだ声が、僕等の胸に響いた。
『助けて…
助けて、ケイトちゃん。
私…
もっと、一緒に居たい!!
もっと…
もっとたくさん!一緒に過ごしていたい!!』
そして、最後に出て来そうになっていた言葉も…
『もっと、皆と一緒に笑ってたいよ』
それは、ケイトちゃんを通じて伝わってきた。
ケイトちゃんが感じたものが
僕等にまで、はっきりと伝わってきた。
その時に感じていた感情も…全部。
涙ながらの、涙交じりの言葉だった。
それがきっと、茅野の本音。